液晶性フェニル‐ベンゾチエノベンゾチオフェン誘導体(Ph-BTBT-10)は液晶性を用いた溶液プロセスにより、基板に対して分子が垂直に配向し、平坦性の高い多結晶薄膜を容易に作製することができます。液晶相を経由して作製した多結晶薄膜では、電荷輸送部位となるPh-BTBTコア部が相互に入り込んだモノレイヤー結晶構造になりますが、120℃5分間といった短時間の熱アニール後、Ph-BTBTコア部が向かいあったバイレイヤー結晶構造に変化します。この結晶構造変化により薄膜トランジスタの移動度は大幅に増加(~10cm2/Vs)します。
H.Iino et al. Nature Communications (2015).