トップ > 研究概要 > イメージングデバイスと薄膜半導体材料
ディスプレイなどのイメージングデバイスは人が情報を認知するための電子デバイスのため、ICチップなどの通常の半導体とは異なり、大面積の薄膜半導体が必要になります。薄膜半導体は、非晶質(アモルファス)シリコンやポリシリコン、酸化物半導体といった無機薄膜材料だけでなく、有機半導体といった有機薄膜材料も利用可能です。
現在、複写機の感光体や有機ELにおいて、アモルファス有機半導体材料が利用されております。塗布プロセスといった省エネルギーで大面積の薄膜半導体が製造できる有機半導体は他にも新たな電子デバイスへの応用が期待されていますが、特に、薄膜トランジスタや有機集積回路の実現には、移動度の低いアモルファス材料(単位電界あたりの電荷の移動速度)よりも、高移動度が実現できる結晶性の有機半導体材料が求められています。一方、結晶性の材料は簡易な塗布プロセスでは平坦な薄膜が容易には作製できないといった課題があります。
このような結晶性の有機半導体材料の中でも、私たちは自己組織的に分子が凝集、配向状態を形成する『液晶性有機半導体』に注目しています。